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佳きお庭が出来上がりました。 題して 「温故知新ノ庭」。  「温故知新」の意味の如く ‘故きを温ね新しきを知る 融合承継ありき庭’日本人としての感性のルーツを基調とし、 古くからあるものと新しいものとの融合をはかった庭。 和も洋も・・・ 人も緑も・・・ 自然石もコンクリート材も・・・ すべてが溶け合い調和をなす空間だからこそ 人は心の底から安らぎを覚えます。 そしてこの庭は 次世代に受け継がれてまいります。  この度の工事をご依頼いただきました大阪府堺市のS様、 本当に有難うございました。 長期間に及ぶ工事でしたが、いつもお気遣いを賜り、 スタッフ一同心より御礼申し上げます。 「私達の自慢の庭です! こんなにも素敵なお庭を造ってくださって、本当にありがとう!」 ・・と、造り手冥利につきるお言葉を頂戴し S様ご夫妻、ご家族、そして柴犬のチビちゃんにも 大層ご満足いただけたことをとても嬉しく、幸せに存じます。  人も庭も、年輪を重ね歴史を刻みます。 いつの時代も どんな時代になっても この庭は人を癒してくれることでしょう。 陽の光を存分にあびる時もあれば 雨の雫で落ち着きを取り戻す時もある・・・  人が活きる時間も 眠れし時間も・・・ 庭は穏やかな気流漂りし空間。  設計・監修は、ワタクシ、唐津攝子@GrassLeaves。 そして施工は、いつも大層お世話になっております 大阪エクステリア.jp ?樽井造園の皆さまにご尽力を賜りました。  冷たい雨の日も きつい陽射しの暑い日も 連日、寡黙にひたすら頑張ってくださった皆さまに、 心より厚く厚く御礼申し上げます。  古きを温ねてこそ新しきに挑めた庭造りでした。 それは施主様をはじめ、 この工事に関わってくださった皆さまのおかげです。 ここに穏やかで安らぐ気流漂う空間造りができましたことを、 造り手としての喜びは勿論のこと、私の生涯の誇りに思います。
天候不順が続き、寒暖の差が激しい今春。 ソメイヨシノの桜吹雪も終わり八重桜が主役となる時期だというのにこの寒さ・・・ 嗚呼、お庭づくりの仕事人は、雨だの寒いだのとしのごの申すべきではありませぬ。。 さて、今回の植栽リニューアル工事は、 大阪エクステリアさんの大切なお客様邸の工事です。 工事初日は春の盛りのはずなのに冷たい雨の中での作業となりました。 とはいえ、翌日はお天気に恵まれ、二日間で完工の今回の工事は 植栽によってこれほどまで空間全体が変わるものなのか?!・・と いうことを痛切に感じさせられた植栽リニューアル工事でございました。 さて、どのようなビフォーで どのようにアフターになったかをご覧いただきましょう。 《before》  ↓ ↓ ↓ ↓ 《after》  お玄関の前庭の角っこには、奥様が大層お気に召された ハナズオウの白花品種が 白いお花を見事に咲かせ、落葉樹ならではのやわらかな曲線の樹形がとても美しい! 枝の張り出し方がまるでこのお家の前庭の為に あったとも言えようハナズオウの樹形。  これぞ「一期一会」・・・ 出会いに感謝です。 また、夏には広めの葉で爽やかな緑陰を促し、 秋の心温まる綺麗な紅葉もハナズオウの魅力です。 《before》  ↓ ↓ ↓ ↓ 《after》  ところで、背後にはナチュラルな幅広の横板フェンスを新たに施しました。 隣家からの視線を遮る役目と空間の確立役を担っている横板フェンスは、 こげ茶の既存の縦格子フェンスとブラウン系ならではの調和がなされ、 スタイリッシュな建物をより引き立たせてくれる役目もし、 ボリュームを減らしたクロチクとも抜群な相性を醸し出してくれています。 いやしかし、ここはこげ茶の縦格子フェンスで統一すべきだったのでは?と 思われた方もいらっしゃることでしょう。 いえいえ、それだとこの空間が閉鎖的なものと化してしまいます。 色もあえてトーンを抑えたナチュラルカラーを選定しております。 で、横板フェンスにしたこだわりの理由はと申しますと・・・ 「横」のライン=方向性には、奥へと続く広がり感があり、 また、縦格子フェンスと同様の高さにせずあえて高さを抑えているのも 広がりの原理、つまり閉塞感が生じないようにしたのです。 更に、この空間内で唯一東南からの太陽の光を長く浴びれる場所。 太陽光をできるだけ妨げない工夫と配慮が横板フェンスに込められています。  そして半日陰対応を心掛けた植栽の数々。  左端には奥様お気に入りのタイツリソウ。 続いて、ヒュウガミズキ、銅葉のヒューケラ、フイリヒイラギ、ツワブキ・・など等。 落ち着きある色目、ラインの美しさ、広い葉のインパクト性を意識し、 植物の相互間に絶妙な調和が生まれているのがおわかりいただける事でしょう。  既存の水鉢は以前より少し深めに埋めて居場所を確保させてあげました。 こうすることにより視野が広がり、足元の清楚な植栽に気付くことができます。 そして新たに「石」を据えたことにより、空間に更なるまとまりや「間」が生じ、 石の自然素材ならでの魅力や役目を再認識した次第なのです。 更に、フッキソウ、ヤブコウジ、キチジョウソウ、フイリアマドコロ、 ヒューケラ(ツボサンゴ)、リュウノヒゲ、ユキノシタ、シダ・・・など等、 これら数々のグランドカバー類はお庭にはなくてははならない名脇役です。 《before》  ↓ ↓ ↓ ↓ 《after》  然るに、建物のお玄関ドアを開けてまず目に入るのが スタイリッシュさがたっぷりなこげ茶の縦格子のフェンス。 以前はこの縦格子フェンスの足元には オタフクナンテンが表裏両面にずらりと植わっていました。  しかし私の狙いは 「ドアを開けるとそこには季節を感じる外空間を!」 施工後は↓こんな感じに。  単調だった既存のオタフクナンテンを取り除き、 フェンス裏面も植栽の施し方次第でこの空間の見せ場となりました。 フェンスの表面と裏面は、実は二つ一緒の空間・・・と申すべきか、、 格子が間にはいることにより借景効果を生むと申すべきか・・・ 要するに、背面の景色もセットものとなる魅力ある空間がここに生じた訳なのです。 ゆえに、駐車場側(=道路側)からの視線をも考慮した植栽を施し、 そうすることでご主人様お気に入りの赤い玄関ドアが尚一層心地よく 目に映るようになり、思わぬ所にナイスな光景が生まれたのでした。 ちなみに縦格子フェンスの裏側の植栽は・・・ 左より、アセビ、オタフクナンテン、スモークツリー、黄金シモツケ、ギボウシ、 マホニア・コンフューサー、豪州産常緑モノ、ティートゥリーの品種モノ、 その他フッキソウ、ガーデンシクラメン、キチジョウソウ、タマリュウ・・・など。K様邸の以前の植栽は、シンプルモダンを基調とし、 殆どが通年変化の少ない常緑モノの間違いない植栽で、 それはそれで上手く施されておりました。 ただ、ここが悩みしところ。。 たしかに同一種だけの植栽は整然とした美を奏でますし、 常緑モノが多いことは決して否定するものでもありません。 またここは建物の北側に位置する地ゆえ、悪しき日当たりを考慮すると どうしても無難で手のかからない常緑の植栽を施すのが賢明策となります。 しかし、私が個人邸のお庭造りで重要視する事柄の一つが 「季節の移ろひを感じる庭」。  人は宿木となる家があるからこそ外の世界で頑張ることができます。 その礎となる‘家空間’には、心身ともが安らぎ、 穏やかでない時はリセットさせてくれる気流が漂わねばなりません。 その役割がお庭造りにも課せられていると 私は信じてやみません。 眺める庭・・・ 集ふ庭・・・ 育む庭・・・ 庭には様々な位置づけがあるけど、 庭が単なる通過場所と化してしまっては淋しすぎる。 庭は人を安らげる絶大な効果を持っています。 それは何も広さや規模の問題ではありません。 そこに季節の変化に伴う事柄があると 人は今生きていることに改めて感謝の念を抱き 明日への活力が身体の奥深くから生まれてくるのです。 ‘季節の移ろひある空間’といっても 何も落葉モノばかりを施すことってことではありません。 常緑モノと落葉モノがうまくコラボレーションしてこそ 真の季節の移ろひが醸し出されるものなのです。 常緑モノにも宿根草にも日当たり状況に応じたものは数々ありますし、 四季の変化を遂げる落葉モノと共生することにより、 常緑モノの本来の良さが尚一層有り難いと感じるようになるのです。 常緑には常緑ならでの良さがあり、 落葉には落葉ならではの良さがあります。 しかし、これらは切り離して考えるべきじゃない。 夫々の良さが滲み出て共存し合う施し方をしてあげるのも 私達《庭の仕事人》の務めだから。 《before》  ↓ ↓ ↓ ↓ 《after》  《季節の移ろひある空間》とは、 常緑もの、落葉もの、それらが各々の役割を果す空間。 そして人は季節折々の変化にふと気付き、立ち止まる。 植物によって移りし季節を感じることができる。 そう・・・ だから私は‘季節の移ろひ’を大切にした お庭造りに重きを置いてまいりたく存じます。 道端に咲いている小さく可憐な花を見つけると ふと立ち止まって見入る瞬間がどなたにもおありのはず。 その‘ふと立ち止まって見入る瞬間’の大切さを 私は庭造りに込めていきたい! 形を変えるものもいれば、色を変えるものもいる。 冬には姿を消しても春にはまた元気な姿を見せてくれるものもいる。 花を咲かせ実をつけるものもいれば、葉っぱが自慢のものもいる。 そんな植物達の各々の個性がやわらかく交じり合った季節の移ろひがある空間は、 人には嬉しく、温かく、優しい空気を放ってくれているのをしみじみ感じます。 自然の恵みに人が有り難さを感じる外空間造り。 お庭を造る仕事の醍醐味がここにあるのではないでしょうか。  「いってらっしゃい!」 「お帰りなさい♪」 「今日もお疲れさま?!」 そんな植物達の囁きを感じることができるお庭造りを 私はこれからも誠心誠意務めてまいりたく思います。  今回、私のそんな思いが通じるお客様のお庭を工事させて 頂けましたこのご縁に感謝し、心より厚く御礼申し上げます。 また、季節の移ろひある空間造りに余念なきよう務めてくださった 大阪エクステリアさんのスタッフの皆さま、本当に有難うございました。 尚、今回の工事のメイキング模様は、 また後日 『ぐらりぶ日記』に記させていただきますね♪ ※一部、大阪EXの 里さんの写真を掲載させていただきました事、ご了承くださいませ。
今年の2月中旬に植栽植え替え工事をしたH様所有のマンションのお庭。 既存の植栽を極力活かし、環境を変える為に移植したものもあれば 新たに花モノと半日陰対応の植物を増やした植栽工事でした。  あれから約二ヶ月経ち、その後の状況がずっと気にかかっていたもので、 今日はTV収録の撮影現場が近かったのを機に確認に行ってまいりました。 工事の時は真冬真っ只中ゆえ、寒さと早い日暮れとの戦い。 ましてや多くの植物達が冬眠期にはいってる時期。 宿根草などは地上に姿はなけれども、地中では春の訪れをじっと待っています。 そんなけなげな植物達が、私は愛おしくてたまりません。 「君達がここにいてくれるから素敵なお庭になるんだよ♪」 ・・と、植物達に感謝の気持ちを込めてアクリル板で名札を作って据え、 居場所と名前と性質をしっかりアピールしてあげたのが私のこだわり&植物達への贈り物。  冬の工事ではありましたが、植え込むには最適期。 春には芽吹き、花が咲き誇る情景を予測しての配植。 生長した際の背丈や幅などを考慮するのがプロの仕事です。 工事のご依頼主は 大阪エクステリアさんのお客様で、今回は私も関わることに。 「どの季節でもお花が咲き誇るお庭にしてほしい!」とのご要望。 そして私は「よっしゃ!植栽のことならまかしとくんなはれ!」となったのです。 この工事は主任の 久畑さんとプランナーの 香川さんが段取り+プラン作成。 その時点から私も関与し、「ここはあーしたらこーしたらええんとちゃう?」と、 もっぱらアドバイザー役に徹し、3人でタッグを組んでのプランニング。 工事対象地の大半は、午前中の日当たりはまぁまぁ良いものの、 午後からがあまりよくありません・・・というか、半日陰状態が長時間続く。 また、一部南向きの所では、日当たりが良すぎるぐらいお日様サンサン。 植栽工事というのは、環境に適さない樹木や草花などを施すのはご法度! 加えて、環境に合うか合わないかを無視し、我が好みで 流行の植物ばかりを施すのはこの道のあかんたれがすることです。 日当たりや風通しがいいか悪いか、土壌の良し悪しなどの環境を読み取り、 環境に適した対処を施すのがプロならではのお庭づくりなのです。 とはいえ、工事現場ではプラン図面通りにモノゴトうまく行きません。 現場での適材適所適宜な判断、処置が求められます。 これだから現場重視型のプランナーにならざるを得ない私だったりするのです。 今回の工事現場をご一緒させていただきました大阪EX造園部の 樽井雅彦さん& 行政さん、 ほんとにほんとに秀逸なお庭のお仕事人でらっしゃいました。 ←我らお庭の敏腕仕事人トリオ私も一職人として共に植え込みをしたのですが、 お二方のお仕事ぶりには目を見張るものがございましたです。はい ♪既存のヤマボウシやシラカシの移植の際も、それはそれは手際よく掘り起こし、 新たな移植地が浅い土壌厚なのを根性で深くなさり、見事に移植完了。  お庭のお仕事に男性のお力はなくてはなりません。 私の細腕微力ではどーしても出来ないことがやっぱりあるものです。 「ここ、こーしてくださるかしら・・・」とこだわりのお願いをしても 快く応じてくださったお二方、ほんと、おおきに!感謝!感謝!です♪ 施工後、お客様に工事完了の引き渡しをする際、 主任の久畑さんが足元の植栽にそっと手をそえる姿が印象的でした。  彼は昨年ご結婚なさったものの今はまだ単身での大阪生活。 日頃目まぐるしく動き回って責任あるお仕事をなさってるだけに、 植物達に癒されてらっしゃるふとした光景が私にはとても嬉しく映り、 彼の本当の優しさを垣間見た気持ちになった次第です。 植物には人を穏やかな気持ちにしてくれる絶大な効果があります。 土いじりもそう。 命あるものには生きるエネルギーがあり、 そこにはやわらかな気流が漂い、 そして波動をも起こすのです。 私はこの仕事が大好きで、人を優しくしてくれる植物達に いつも感謝の気持ちでいっぱいです。 だから、元気でいてほしいし、お花は綺麗に咲いてほしい。 私は植物が子供に思えてならないんです。 お庭には弱っている子、反逆児の子もいたりします。 でも、弱っている子には元気注入してあげるのも、 反逆児の子の気持ちを鎮めてあげるのも私の務め。 どんな植物達にも優しく、時には厳しい手ほどきが必要なんです。 さぁ!あれから二ヶ月経ちました! 植物達はどう生育したかをご覧にいれましょう!  メインツリーとなるソヨゴはしっかり根付いてくれた模様です。 その足元の草花達も元気にスクスク生育しています。 植えつけた時は根っこだけだったギボウシも姿を現しているし、いい状態♪ 冬場のヒロインのガーデンシクラメンやパンジーなども まだまだ私達の出番!と頑張って咲き誇ってくれています。  球根類もお花を次々と咲かせていい感じ♪ ヒューケラも新しい葉を付け、植え付けた頃より一回り大きくなっています。 フッキソウもこれまた一回り大きくなってるじゃないの?♪ 既存のバラが生き生きとした葉っぱをつけてくれてるのが嬉しい! ・・・と書きつつ、それはこの写真に写ってなくってごめんなさい。。m(__)m  トキワガマズミ・ビバーナム‘ティヌス’も二ヶ月前は可愛い 赤色の蕾だったのに、今はこうして白花を沢山咲かせてくれています。 クリスマスローズも今を盛りと言わんばかりに咲き誇ってくれています。 ヒマラヤユキノシタの葉っぱも一段と大きくなってる?♪  門の外側の花壇は、ジャノメ・エリカが植え付けた頃と 同じ華やかさを保ってくれています。 ドドナエアの渋い赤味もエリカとばっちりコラボってるし♪ 既存のモッコウバラも綺麗な葉っぱをつけ、蕾もいっぱい! 久畑さんがCB壁に取り付けてくれた誘引用のワイヤーが効果を成してて、 数週間後には一面見事な黄色のウエルカムウォールになりそうです♪  敷地南側の三角地は春になると尚一層お日様サンサンの地と化しています。 北側地で弱っていたシラカシをここに移植したのですが、 新たに植えたシラカシの弟分と共に頑張って根付いてくれました。  シラカシの兄キ、頑張りや! ここで元気に育つんやで! シラカシの隣のオリーブがちょっと元気なかったので、 久畑主任に至急対処するよう連絡を入れた次第。 行政さんが樹木の救急隊員となり駆けつけてくれる模様です。  植え付けた時は葉も少なくて、一体どんなお花を咲かせるの? と思っていたアザレアの仲間のホリウチカンザキツツジが 濃ゆい赤色の花の蕾をつけ、開花が待ち遠しいです♪ 今年は3月が異常に気温低く、雨も多くって、 冬から春になかなかなってくれませんでした。 そのせいなのか、冬のお花がまだまだ主役の座を保っています。 更に一ヶ月後、二ヵ月後・・・ 夏、秋、冬、そしてまた春・・・ ここに植え付けた植物達は、日に日に生育し、 根をしっかり大地に張ってくれることでしょう。 「ここにお住まいの方々が、いつか将来、 昔住んでいたマンションはどの季節もお花が咲き誇っていたと 故郷のような素敵な思い出の場所となってくれれば嬉しいの♪」 ・・・と仰せだったH様奥様の温かで優しいお気持ちに応えたくて造ったこのお庭。 お住まいの方々に季節のうつろひを感じて頂けるお庭造りができた事を 本当に嬉しく、有り難く、誇りすら思う私なのです。
さて、どうして‘「間」のある空間造りが我が務めなり’・・・なのか? それは、「間」という、造りこみすぎない空間というものが、 人にとって、とても大事だからなのです。 「庭は、すべてがすべてを、決して造りこみすぎないことだ。」 「『間』のある空間には天使が降りてくるという伝説がある。」 「庭は人が息詰まる窮屈な造りをしてはいけない。」・・・と、この道の御大の先生方みなが「間」の重要性を仰せでした。 まさに、我が標すべき道。  この山採りの樹々達も、私に「間」の大切さを教えてくれたのでした。 背は高けれど、ひょろっとしてる姿がどこかたよりなげなアオダモ。 周りにライバルが多くて我が先にと太陽を求めて背が高くなったのか・・・ この子はきっと山の奥深い地に植わっていたのでしょう。。 険しい山に植わっていたのか、深い谷に植わっていたのか、 この子は一体どこでこんなに体をくねらせて生きてたの? ・・・と、思わず心配性の里親の気持ちになってしまったコナラ。。 N様邸に嫁いできたこれら山採りの樹木達。 アオダモは福島県産、コナラは富山県産だそーな。 この子達は、厳しい大自然の中で育ったものだから、 姿形は決して端麗に整ったものではありません。 しかし、作為的に造られていないその姿には 自然と闘ってきた逞しさを醸し出し、 風と戯れるとやさしい表情をしてくれます。 曲がりくねった樹形には「間」があります。 スッと背の高い樹形にも「間」があります。 そして、自然が生み出した最高の産物を こうして穏やかな地に据えてあげると 樹木達は堂々とした貫禄さえ見せてくれるのです。 「僕はここにいる!」と、夕陽に照らされるこの子達は 我が影をしっかりと落としているのが勇ましくすら感じます。  さて、私は「ハンドルに‘あそび’がなければ真っすぐ進めない。」 物事をそう例えることがよくあります。 あそび・・・ それが「間」です。 ‘あそび’がないと、人も真っすぐに生きられない。 ギチギチでギュッギュとしているところでは返ってひねくれてしまう。。 「間」は、人にも、時空にもやさしい。 「間」は、人にも、時空にもなくてはなりません。 だから・・・ 人間であり、 時間であり、 空間となるのです。  N様邸のリビング前の主庭の向こうに、大きな夕陽が沈みます。 奥様は、その夕焼けが囲いで遮られることになるのは残念で仕方ないので・・・と、 主庭に施す囲い(目隠し)のことをとても気にかけてらっしゃいました。 そんな奥様のご心配な事柄を、樹木のフェンスだと 枝の隙間から夕陽を望むことが出来ます。 ここにも「間」が効果を示してくれています。 夕焼けと樹々のシルエットも美しく・・・ ♪秋の夕焼け空はとても綺麗・・・ 今頃はきっと、こんな夕焼けのシーンが リビングから望めているのではないでしょうか? ♪ ※この写真、画像処理にて作成した写真ゆえ、 多少の「???」は、どうかご勘弁くださいませ。。m(__)m
 箕面森町N様邸の完成にいたり、 今回の工事にまつわるいろんな事柄を これから回を分けて述べてまいる事にいたしましょう。  上の図面、今回の工事の図面です。 ・・と申しましても、全てはお見せできませぬので、 あえてぼんやりぼやけております旨、ご了承くださいませ。 図面と言っても、市役所に提出用の、緑化面積に 関する事項(計算や配置)を記している図面です。 箕面市というのは 緑化推進にとても力を入れている自治体で、 とりわけ敷地面積における緑化面積というのをえらく重要視しており、 樹木の本数も、高木○本・中木○本・低木○本・・・というように、 それぞれ最低これだけの本数は植えなければならないという決り事があるのです。 更に、道路面に接する箇所には、塀やフェンスなどでの目隠しはダメで、 樹木で生垣ならOK!という、町全体が緑の町並みとなるように規制をかけているのです。 上記の完成写真をご覧になられた外構関連業者の方々の中には、 「俺ならここに○○○を使って‘目隠し’し、アウトドアリビングとして ***社の●●●や■■■を施すけどなぁ。。」 ・・・と思われた方もきっといらっしゃることでしょう。 しかし、市の規制もさることながら、私のプランには最初から 塀やフェンスで背の高い囲いをしてしまうという考えはございませんでした。 この自然溢れるロケーション、木の家の重厚感、緑多き町並み、 そこにお暮らしになられるN様ご家族のライフスタイル・・・ その全てを満たすには、やはり樹木を施すのが一番! 当初、建築サイドである程度なさってらした外構プランでは 規制ギリギリの緑化面積だったのですが、私が携わり、 敷地全体の5?6パーセントも緑化面積が増えたのです。 提出先の箕面市緑化推進部の方が、私が図面を持参した際に 非常に笑顔になられたのを今でもハッキリ覚えておりますとも♪ しかしながら、リビング前の主庭に施す生垣の樹種選定には、 思わぬ時間がかかってしまいました。 シラカシとヒイラギモクセイの無難な生垣を当初は考えていたのですが・・・ 「もっと無難にベニカナメモチ?いや、そないなもんではあかん・・・う?ん・・・」 違う場所の工事が進む中、生垣については ずっと惑いの日々が続いたのでした。 それに、工事というのは、想定外なことも多々生じるものです。 工程の運び具合、新たなご要望・・・など等、 プランというのは何度も何度も再検討することが当然となります。 当初は考えてなかったシンボルツリー的存在のアオダモ(H=6500)と コナラ(H=3000)が主庭に植わることとなり、これらが山採りの 独特の自然樹形だけに、それらと馴染む樹種が求められ・・・ これも当初の予定にはなかった石の器を利用したガーデンシンクとの 兼ね合いも考えなければなりません。 また、N様ご夫妻は、斑入りの葉より緑(単色)の葉をお望みでらっしゃったこともあり、 作為的な彩りの樹木を用いるより、山の木々の「緑」を取り入れることを重視した次第です。 N様のご要望と施工をご担当いただいた青春園さんのS氏のアドバイスのもと、 結論は、生垣といえども混植の‘目隠し’にいたしました。 混植、つまり色んな樹木をMIXした‘目隠し’です。  使用した樹木はと申しますと・・・ フェイジョア、トキワヤマボウシ、カラタネオガタマ、タイワンツバキ、 アセビ、プリペット、ヤマコウバシ、ニシキギ、ドウダンツツジ、ヒュウガミズキ・・・ これらは、常緑樹と落葉樹がうまく調和し、 背も、高い、低い、もろもろです。 そして、メインとなるコナラとアオダモを気持ちよく囲んでくれました。  私のプランは、植栽は‘おまけ’や‘ついで’ではありません。 はっきり言って、メインとも言える存在と言っても過言ではありません。 「ここにはこの木を植えよう。」 「この位置には常緑樹で背丈は○m以上のもの・・・」 「お部屋からの眺めはこうなるやろなぁ。。」 ・・・というように、植栽がこの地に入ることを念頭から意識し、 仕上がり状態が私の脳裏には3D画像で描かれているのです。  人が暮らす場所、人が息をする場所・・・ そこに樹木は共生します。 そこに樹木は安らぎの空間を造ってくれます。 樹木が植わってこそ、全体の調和がとれることを 今回の工事で再認識いたしました。 今日もこの言葉を・・・ 木々よ、花よ、ありがとう!!
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